Siesta日和 ---シエスタビヨリ---

日仏家族。フランスを離れて世界半周旅行中。ポリネシアまでやってきました。

荒れる海の中、ランギロアへ。


タヒチを出る時に、2日後に南からの大きなうねりが来るので警戒を、って言われていたのですが…。
それを避けるように北へ北へと進んだのですが、かなり苦戦しました。

最初のストップは、タヒチ島のすぐ北にある Tetiaroa テティアロアへ。
ここは環礁の中には入れず、外にあるブイにつなげることができるという噂。
到着したのは日が暮れてから。当然、真っ暗です。
なんとかブイを見つけて船をつなぎ、そこで夕飯休憩。
揺れが激しいので、そのまま居ても仕方がないので夕飯後にまた北上を続けることにしました。
ブイから離れたと同時に、近くの暗闇で「ザワ〜〜」っとした音が。
よーく見ると、大きなクジラが2頭、船の近くを泳いでいました。
こんなに間近で見られるなんて!感動。🤩

翌日、Tikehau ティケハウへ到着し、いざ環礁の中に入ろうとするけれど、これが至難の業。
1年前にポリネシアに来た時に苦労したのですが、珊瑚礁の中に入るというのは結構大変なのです。
潮の満ち引きが大きく影響していて、満ち引き表をあらかじめ見て行かないと大変な事に。
通過するタイミングが15分くらい遅れたからかな。
環礁の出入り口(パス)は波は穏やかなのに、前に進まないのです。どんなにやっても流されていく〜。😱
一度、諦め、また落ち着いてから再度チャレンジ。

2度、3度。エンジン全開でもダメなのです。Siestaのモーターは100馬力で結構パワフルなのですが、それでもダメ。
しかも、毎回、環礁に入ろうとすると、25ノット(おおよそ時速45km)の風が正面から吹き付けてくる。😭
入るな、って言われてるみたい。

これ以上 挑戦しても無駄なので、Tikehau ティケハウは諦めて、隣の環礁、Rangiroaランギロアへと向かいました。
正面からの向かい風。高いうねりで、新しいクルーたちは船酔い。私だけがピンピンしていたような。

そしてランギロアも相当凄かったのです。
ここでも、何度チャレンジしても一向に前に進めず、確実な時間まで、結局、パスの外側で夜を明かしました。
翌朝、潮の満ち引き表通りに進んでみるけれど、モーター全開でも、進んでるのか進んでいないのかわからない。😵‍💫
ずっと同じ景色というか、両脇のココナッツの木がずっと私たちの横にあるのです。
それでも、前の晩よりはちょっとはマシ?なのか、海図を見ているとわずかに進んではいる様子。

なんとか進んでいくと、そばにアンカリングポイントの表示が。
ここでアンカリング?ためらったのは、まさに激流だったからなのです。
これ以上前進しないし、モーターに負担がかかるので、アンカーを下ろさないと…。
で、アンカーを下ろしたら、チェーンが引っ張られてストップが効かなくなるほどでした。
怖かった〜。🫣冷静に考えると、船を前進した状態にすればいいのですが、あまりの強風と激流で考える余裕もなくて。
なんとかチェーンを固定して、アンカリング体制になりました。ほっ。

アンカーを信用できるものに買い換えてよかった!
これが以前のアンカーだったら、ずるずると流されていったと思うのです。そのまま、環礁の外に流されていったかも。😱

後でわかった事は、タヒチにくる大きなうねりがこちらにも来ていて、それが珊瑚礁の中に水が入り込んで…
満潮時に外からの海水が環礁内に入るにも関わらず(通常はその潮に押されて入っていく)それを上回る水が環礁の中にあったために外に押し出され逆流していたようです。

ディーゼルのポリタンクを持って給油所へ向かっていると、「僕も給油しに行くから乗せて行ってあげる」と4駆のピックアップが止まってくれて、車内で話をしていたら、「君たち?あの海の中、パスを通ってきたの?他にももう1隻通過したけど、他は誰も入れなかったよ。この10年くらいでこんなに凄かったの、初めてだよ。」と。
その10年に1度の日に当たった私たちはラッキーなのか、どうなのか?🤔
いやいや、本当にすごかったのです。
アンカリングをしていても、船を前進しているような流れ。初めての経験でした。



その頃、タヒチでは2024年パリオリンピックのサーフィン会場となっているタヒチ島南部では8メートル級の大きな波が押し寄せて、プロのサーファーたちが巨大な波に挑戦していたそうです。

やれやれ…。
船の旅は、穏やかな日々ばかりではないのです。
友人たちは、船旅に来たこと、後悔したのかも。🤭

私たちが大変な思いをしている時の、タヒチ南部での波。超デカいです。
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